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VACサイゴンスタッフコラム

2026/07/17 VACサイゴンスタッフコラム

AIにはまだ代替できない価値

筆者:Phạm Nguyễn Kiều Chinh


近年、AI(人工知能)はほとんどあらゆる会話の中で話題にされるようになった。新聞社やデザイン会社、学校、オフィスに至るまで、多くの人がAIについて語っている。新しい利便性に期待を寄せる人もいれば、まるでSF映画にしか存在しないと思われていたような能力に驚き、興味を抱く人もいる。しかしその一方で、不安を感じている人も少なくない。その不安は、単に機械がますます賢くなっていることだけから生まれているわけではない。

人類はこれまで、数々の技術革命を経験してきた。蒸気機関は生産のあり方を変え、コンピューターはオフィスの世界を大きく変革した。さらに、インターネットの普及によって、多くの業界や職業が新しい環境への適応を迫られた。技術が進歩するたびに、人々はいつも同じような不安を抱いてきたのである
今、多くの人が抱いているのは、別の疑問かもしれない。AIが文章を書き、絵を描き、翻訳し、データを分析し、さらには人間のように会話できるようになったとき、私たちにしかない価値とは何なのだろうか。

それは、簡単には言葉にできない感情である。まるで、突然現れた誰かが、自分の仕事をより速く、より安く、より効率的にこなしているのを目にしたときの不安に似ている。恐ろしいのは、その人が優秀であることではない。本当に恐ろしいのは、自分がもはや必要とされなくなるかもしれないと感じることである。
しかし、歴史を振り返ると、技術は人間の役割を完全に奪うのではなく、むしろ人々の働き方を変えてきたことが分かる。
ソフトウェアは、わずか数十秒で何百もの言葉を書き出すことができる。しかし、救急処置室の前で子どもの知らせを待つ母親の深い思いに本当に寄り添うことはできない。あるツールは技術的に完璧な絵を生み出せるかもしれないが、そこには画家の心から湧き上がる深い感動が欠けている。また、あるシステムは何百万もの質問に答えることができても、目の前の人が抱える傷ついた気持ちを真に理解することはできない。
人間の価値を形作るのは、単なる情報処理能力だけではない。他者に共感する力もまた、その大切な要素である。そうしたものは、アルゴリズムによって簡単に測れるものではない。
機械がますます多くの仕事をこなせるようになる時代において、人間に求められているのは、速さで競い合うことではなく、機械にはまだ代替できない価値を発揮することなのだろう。
AIはこれから確実に多くの仕事を変え、人々に新しいスキルを学ぶことを求めるだろう。しかし、本当に大切なのは、自分がAIに置き換えられるのではないかと恐れることではなく、テクノロジーには決して完全には模倣できない人間らしい資質を、自分は育んでいるだろうかと問い続けることなのかもしれない。