筆者：Nguyen Thu Trang
高級な旅にお金を費やしても、心がさほど満たされない経験が若干あったが、
家族と一緒に泥温泉へ行き、わずか1～2時間を過ごしただけで、何らかにちなんで「生活は生き甲斐があるだな」という情緒が出て来ちゃった。幸せな気分が心の底からふわっと湧き上がってくる。
お母さんが笑ってくれる。義母のお母さんの微笑みもだんだんと広がっている。
その日、私たちはニャチャンの家近の泥温泉へ向かった。
美容用の薬剤を含む泥温泉に身を沈めるとき、体全身が暖かい湯に包まれた。
その感覚は幼少期にお母さんの腕の中にしっかりと抱き込まれた時のぬくもりに似ていた。
柔らかくて、あたたかくて、口の中にほんのりと幸福の甘さが広がるようであった。
これが、人生の長い生きのこつなのだろうか。
「心の楽しみは良い薬である、たましいの憂いは骨を枯らす。」そんな言葉をふと思い出した。