--- ローカル企業訪問に際して

 ここ数年、べトナムはチャイナプラスワンやVISTAなどと言われ世界から大きな注目を集めています。とりわけ日本を含めた外国の製造業のベトナム進出は目を見張るものがあります。ベトナムの工業団地はどこも満杯で大盛況に沸いています。さて、これだけみますとベトナムは工業国に大変貌しているように見えますがその実、国民の大多数は農業などの第1次産業に従事している割合がまだまだ高いのです。ということで今回は南部地域に強い基盤を持つ農薬会社(H.A.I農薬)を訪問してみました。
 この会社はホーチミンの中心部に本社があり弊社の事務所からもタクシーで10数分と 比較的近くにあります。社屋は農業系政府団体が入っている敷地の奥まった5階建ての建物でした。 
 1階の受付に行くと既に女性(総務課長)が待っていてくださり、すぐ横にある会議室に通されました。しばらくして社長がクールビズ?のラフな格好で入ってこられました。第1印象としては非常にシャイな方だという感じを受けました。名刺交換し早速、ご質問をさせて頂きました。

--- 現在、御社の主力商品に関してお教えください

   弊社では売上げの90%が海外企業からの輸入によっています。自社生産分は
10%程度に留まっています。といいますのも現状は商品をそのまま輸入した方が割安なんですね。将来的には原料を輸入し配合することの考えております。
 主な日本の取引先としては伊藤忠商事・住友商事・三井物産・住友ケミカル石原産業・日本曹達などの会社になります。皆様、長期に渡りお付き合いをさせていただいております。

--- 海外(日本)との取引について教えて下さい

     今のところ本社工場22haを含め3,500トンの砂糖を生産しております。それと並行して新工場38haを建設しています。今年の第3四半期には完成する予定になっています。この新工場が完成した場合、生産量は飛躍的に伸び6,000トンになる予定です。また、砂糖の精製に留まらずタンニン省に1,000haの農場を手当てし苗木を植えて育てております。
 会社の将来ビジョンとしてはさとうきび栽培から製糖・砂糖関連製品まで、上流から下流までの一貫生産事業を目指しています。

--- 従業員の管理について教えて下さい

   弊社の場合、離職率はほとんどありません。といいますのも人数が少ないということも関係しているとは思いますが年に1人・2人程度でしょうか?
労務管理に関しては全く危惧しておりません。また、役員7名がそれぞれの役割をきちんとしておりますので社内は非常にスムーズです。従業員数は3年前は今の半数の約90名弱でした。2010年には全国の支店を現在の7支店から20支店に増やしますので人員も300名体制にしようと考えております。弊社の場合、支店長に大きな権限を与えております。それも弊社の特徴でしょうか?

--- 新規プロジェクトについて教えて下さい 〜

   実は来月(8月)にSSI証券を通じて増資を致します。まだ、プレスリリースは行ってませんが。割当先は政府系関係になり、無償・有償増資は行いません。
 又、ビンタンと6区の接する場所で地下鉄の駅が出来る場所があるんですがそこに15階建ての商業ビルを建設する予定があります。すでに土地の取得は終わっており2008年に建設予定です。このビルが完成すると本社をここから移転しようかと考えております。
 その他には弊社の研究部門でスプレータイプの植物の葉に吹きかける肥料を研究開発しております。海外製品はものはいいんですがやはりベトナム市場を考えると高額です。低価格の自社製品が出来れば市場へのインパクトはあると思います。

--- 御社の業界についてお聞かせ下さい

   現在、ベトナム農業の成長率は年間15%です。今後10年間は順調に推移して
いくと考えております。又、農業全体としての視点に立って考えたならば将来的には日本と同じようになっていくと考えております。といいますのも、
 現在、ベトナムでは低賃金の農業従事者がまだ多いですが高度成長と共に働き手は現金収入の良い工場や都市部などへ移っていくことでしょう。その時になってはじめてベトナムの農業は新たなステージに移ると思います。まだ、しばらくは大丈夫でしょうが。

--- 今年度の売上げ・経常利益の目標をお聞かせ下さい

   今年度は売上げ4800億ドン・経常利益は500億ドンを目標としています。
ほぼ、達成出来ると思います。昨年比20%増を目指して従業員一同頑張って
おります。


--- 先日、2007年4−6月期の業績が発表されましたがこれについて

   売上げに関しましては前期比で減少しております。これに関しましては
季節要因があげられます。ご存知の通りベトナムは4月−9月までは
雨季に入ります。とりわけ弊社の得意先は南部メコンデルタ地域ですのでメコン川の水位が上昇するのでその影響をもろに受けてしまいます。
 その点で4−6月期、7−9月期は少しばかり売上げが減少します。これは毎年のことですので全く問題はありません。


--- 株主に占める外国人投資家の割合が2%しかありませんが

   市場で動いている株は25%程度です。そのうち外国人は10%ですので2%と
いう数字は妥当なところではないのでしょうか?弊社の場合、株のほとんどは
政府と役員で持っています。


--- いつハノイ市場からホーチミン市場に鞍替え上場する予定ですか?

   これは一番辛い質問ですね。残念ながらSECRETです。と、いいますのも
ご存知の方もおられると思いますが3月の初めにこの手のニュースが市場を
駆け巡りました。ニュースの出元は弊社の株主だったんですがどこからか情報を聞きつけてそれに尾ひれがついて大きくなってしまったんです。そのときは
証券監督庁からはおしかりを受けるわでエライ迷惑を被りました。実は、、、。

--- 日本人投資家に一言

   弊社は設立後22年の割とベトナムでは歴史のある会社です。大手の日本企業さんとのお付き合いも長きに渡っています。業種柄あまり派手さはないので日本人投資家の方はあまり弊社の名前をご存知の方が少ないのではないでしょうか?しかし、ベトナムはまだまだ農業国ですし市場にはなくてはならない会社だと私は自負しております。日本語でいうところの「縁の下の力持ち」的な会社でしょうか?ベトナムに農業がある限り私たちの存在意義はあると思います。弊社の情報があまりないのは残念ですが是非、応援して下さい。

  ・ 会社名
・ 代表者名
・ 本社住所
・ 役員数 
・ 従業員数
・ 資本金
・ 支店数
・ 工場
・ 経緯
: Cong ty co phon Nong duoc H.A.I
: Dang Thanh Cuong
: 28 Mac Dinh Chi,Q.1HCM
: 7名
: 180名
: 1140億ドン
: 7支店
: 1工場
: 2005年2月農業物資公社から株式会社移行


- 本日は大変貴重なお話をありがとうございました −

 

H.A.I農薬株式会社 (HAI)
HAI社長 (写真右)


日時:2007年7月20日(金)

場所:ホーチミン市
インタビュー責任者:迫川
弊社代表の迫川 (写真左)


● インタビューアーカイブ
■ H.A.I農薬株式会社 (HAI)
■ ビエンホア製糖株式会社 (BHS)
■ Okaya Vietbam Co.,Ltd (岡谷セイケン株式会社)
■ Vietnam Parkerizing Co.,Ltd (日本パーカライジング株式会社)
■ Japan Festival 2006 in Vietnam (ジャパンフィスティバル in ベトナム)

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